50代〜70代の約6割(58.0%)が、シニア期には「収入よりもやりがいや社会貢献を重視した仕事をしたい」と考えています。
長年勤めた仕事を退職した後に、新しいチャレンジを始める「アンコールキャリア」は、特に「社会にどんな良い影響を与えられるか」を重視します。このアンコールキャリアを通じて、他者への貢献や新しいつながりが「生きがい」へとつながると言われています。
しかし、定年退職を迎えた中高年にとって、これまで社会との関わりが薄かった場合、いざ地域に貢献しようと思っても、「どうやって始めたらいいのか」「どこから手を付ければ良いのか」と戸惑うことが多いのも事実です。
そんな悩みはごく自然なことだと思います。
そこで今回は、地域貢献の最初の一歩を踏み出すためのヒントをお伝えします。
地域貢献の必要性とPBLの役割
日本の多くの地域は、少子高齢化、経済低迷、資源不足など深刻な課題に直面しています。
そこで「地域のために何かしたい」という気持ちはあっても、実際にあ「自分に何ができるのか」が見えづらく、最初の一歩をためらうこともあります。
そんな時に注目したいのが、PBL(Project-Based Learning)です。
PBLは学生が現実の課題に対して解決策を見つけるために実践的に学ぶ手法であり、地域の課題をプロジェクトとして扱うことが多々あります。
ここで、地域の課題を学生たちが解決し、中高年の社会経験豊富な人々がサポートするという協力関係。
学生の新鮮な発想と、中高年の実践的なスキルが組み合わさることで、地域の課題解決に向けた新しいアプローチが生まれるのです。
PBLを通じた地域貢献の具体例
例えば、ある地域では、商店街の活性化プロジェクトに学生が参加し、地元の魅力を発信する観光ルートを提案しました。
そこに地元企業の経験豊富な社会人がアドバイスを行い、プロジェクトは地域の新たな経済活性化に繋がりました。こうした具体的な事例は、地域にとっても、学生にとっても大きな成果を生みます。
学生だけじゃない。社会人の参加が不可欠な理由
地域の課題を解決するには、学生の力だけでは限界があります。
そこに社会人、特に中高年の豊富な実務経験や人脈が加わることで、プロジェクトはより実践的で効果的なものになります。
プロジェクト管理や関係者調整などのスキルは、中高年が持つ大きな強みです。
こうした経験を学生と共有することで、彼らにとって「教室では学べないリアルな知識」を伝えることができ、より現実的な学びを提供できます。
それは、単なる地域貢献にとどまらず、自分自身の価値の再評価にもつながります。
成功するPBLプロジェクトのための4つの条件
PBLプロジェクトを成功させるには、いくつかのポイントがあります。以下の4つを押さえることで、効果的なプロジェクト運営が可能になります。
1.ゴールが見えていること
プロジェクトの目的がぼんやりしてると、結局何を目指しているのか分からなくなりがちでブレてくる。
だからこそ、はっきりとしたゴールを設定しておくのが大事。
地域の課題をしっかり明確にして、「これを解決するんだ!」とみんなが同じ方向を向いて進めばスムーズにいきます。
2.現場との密な連携
学生たちだけでプロジェクトを回すのは難しい。
地域の人々や関係者との連携が不可欠です。
地域の生の声を拾い上げ、実際に必要な解決策を考える環境を整えることが成功の鍵です。
これも中高年が活躍できる場面です
3.プロジェクトが続いていく仕組み作り
PBLが終わっても、プロジェクトが地域に根付き、持続的に発展していく仕組みを作ることが重要です。
教育機関や地元が共にサポートし続ける体制を構築することで、長期的な成果を生み、地域への貢献も実感できると思います。
4.やる気を引き出す環境作り
これは結構難しい。
そもそも学生にとってPBLは授業の一環なので、いくつか対処方法ありますが、一方で、中高年のPBLの参加が地域貢献が社会貢献、つまりボランティア的になると、やる気の維持や継続的な参加が難しくなることも事実です。
PBLと向き合うことを一過性に終わせないために、中高年が得られるメリット、例を挙げれば「大学で学生をサポートしている」という実績を得てアピールすること。
あるいは定期的なフィードバックや成功事例の共有は大切です。
PBLを通じて次の一歩を
地域貢献は、決して大きな目標を掲げる必要はありません。まずは一歩を踏み出すことが大切です。学生たちのエネルギッシュな発想と、あなたの実践的な経験が結びつくことで、地域の未来は確実に変わります。
その小さな一歩が、地域全体に大きな影響を与えるのです。まずは、地域のPBLプロジェクトに参加して、未来を切り開くお手伝いを始めてみませんか?