「バブル世代」と「Z世代」との学び方…目指すゴールは違う話

PBL(課題解決型授業)

僕はバブルを経験した世代です。教育現場に携わった経験がない身としての話となりますが、今回はバブル世代の大学入試とZ世代の大学入試の例に、勉強内容の違いを考えています。

当時学生だったバブルとは、雰囲気のこと

いまどきバブル時代のエピソードは、もはやネタとしての鮮度も悪い。DISCOで踊り狂う映像やタクシー拾う手に1万円を挟んでいた、食事をするのに財布をもっていったことがない話(キャッシュレスとは意味が違います)など、若い世代からすると新鮮味や驚きを通り越して「ダッさっ」な話。
当然オジサマ、おばさまは、「バブルあるある自慢話」は身内でするのが正解。

もちろん皆がみんなバブルの恩恵を受けていたわけではありません。
僕の場合、新卒で入社後に地方都市へ配属されたので都会ほどの派手さはなかったと思います。
また、性格的に「バブルな世の中」についていかない人もいました。

でも、バブルの価値観や雰囲気は確実に身の周りに染み込んでいました。

バブル世代の大学入試。今とは違う理由で大変だった話

当時、就職でもバブルっぽい話はありました。

企業の採用セミナーは交通費+ホテル宿泊と食事つきであったり、内定は複数社が当たり前とか、入社時には祝い金が出たりとか、過剰、過激?でした。

しかし、です。

就活学生の多くは学卒、とくに大学卒も多く、そのためには大学入試を突破する必要がありました。

バブル期、浪人生の割合は約30%以上。

浪人生の数は約20万人以上で、進学者数に対する浪人生の割合は約30-35%を占めていました。

バブル世代にとって大学入試は、今と同じように厳しいものでしたが、当時は大学進学率が上昇していて、大学の定員に対して受験者数が多かったため、特に有名大学や人気のある学部への入学は大変でした。

当時は学歴社会が強く意識されており、良い大学に入ることが重要視されていたので、受験生やその家族にとっては大きなプレッシャーです。
一浪や二浪も珍しくない時代でした。

そうなると大学入試突破のために当時の受験勉強は「丸暗記教育」が主流で、教師が一方的に教える講義形式の授業が中心だったと思います。

Z世代の大学入試。学び方のパラダイムシフト

Z世代も、大学に行くには大学入試を突破する必要があります。

現在、浪人生の割合は減少しており、浪人生の数は約4万-5万人程度。

です進学者数に対する浪人生の割合は約10%以下となっています

大学受験はZ世代も同様に大変ですが、今は入試方法や教育のアプローチが大きく変わっているようです。

僕の長男もZ世代ですが、推薦入試やAO入試の普及、学力試験だけでなく面接や小論文、課外活動なども評価がされるようです。

これは、社会が求める人材像が変わり、クリティカルシンキングや問題解決能力、コミュニケーションスキルが重視されるようになったから、と言われていますね。

グローバル化とデジタル化が進んだ現代社会では、実践的なスキルが重視されてきている。
今の学生たちは、ただ覚えるだけではなく、自分の力で考える力を求められています。

自分の力で考える力って?新しい学びのスタイル

今、アクティブラーニングやPBL(Project Based Learning)といった新しい教育方法が導入されています。

従来型の学校教育では、教室の中で先生が教壇に立ち、生徒に向かって問題の解き方を教えていく、というスタイルで、一方、PBLはその名の通り「プロジェクト活動を通して学びを得ていく」実践力を養う学びのスタイルですね。

戸田市教育委員会がとても面白い取り組みをされていたので、お話を伺ってきました。
PBLへの理解、独自の取り組みがとても分かりやすかったので、ご説明すると…

  • 社会というのは未知の課題を解決している現場
  • 一方学校は、学びの現場

そこで、以下がPBLの概念図の理解ものとで取り組んでいます

PBLで実感した課題とは?

そんなPBLも、私自身のPBL体験を通して感じた課題があります。

学ぶ側は、問題を自分で見つけて解決策を考える自由度の高さに戸惑い、自己管理やチームワークの重要性を実感すると言われています。

教える側の課題の一つとしては、実際の業務経験や実践的な知識を提供方法があります。
PBLでは実社会に近い学びを提供を目的としていますが、すべての指導者がそのような経験を持っているわけではありません。

解決課題の方法と実社会の実務的な方法との間にある空間を埋める対応は難しい。

この空間を埋めるパフォーマンスがPBLの成功を左右する一つの要素だと実感しました。

豊富な実務経験がギャップを埋める

この空間を埋める方法の一つとして、第三者の活用があります。

調べると、多くの第三者は、教育現場近隣の地元ボランティアであったりするので、結構同じ方が担われているケースも多いようですね。

そこで、おススメなのが中高年の豊富な実務経験を社会と学びをつなぐ一手として活躍です。

「実務経験」なので、別に会社のメインストーリーでなくてもよいし、社内だけで有用する「ファーム・スペシフィックスキル」でも大丈夫。
あなたの知識と経験は、学生にリアルな学びとして提供すれば、その価値はぐっと高まります。

「伝える」ことは、地域や社会貢献にもつながる納得感の高い活動です。

大人としてできること

教育のスタイルはどんどん変わっていきます。
バブル世代の詰め込み教育から脱却し、実践的なスキルを重視するPBLの時代へ変わってきています。

バブル世代は、キビシかった大学受験を経験し、会社への忠誠心が美徳とされた時代と、実力主義が叫ばれた時代の変化の両方を経験しています。

この経験は学生たちに価値ある学びを提供する意義は大きいと思います。

まだまだ新しい可能性が広がっていると感じています。

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