企業内エキスパートが退職後に直面する現実…社会で通用する専門性とは

PBL(課題解決型授業)

50代、60代ともなれば、長年の会社員生活で多くの経験を積み、専門性を磨き上げていきます。

しかし、会社を退職した後にそのキャリアを活かそうとすると、なかなか適切な場所が見つからないという現実に直面します。

いったいキャリアを活かすことが可能な新しステージはどこにあるのでしょうか?

専門性のギャップに直面する

例えば、会社の経理部で多くの経験を積み、専門性を磨いてきた人がいるとします。
彼がふと

この専門性って、他でも通用するのか?

そう言えば、昔こんなことを言われていたし…

うちの会社で勤まらなかったら、他でも通用なんかしないよ!

あえて言葉にしました。
「内輪受けの専門性」と「普遍的な専門性」。

ここにギャップが存在します。

どんな仕事であれ、普遍的な基本知識は必要です。

例えば、経理業務をこなすには会計や税務の基礎知識が不可欠です。
公認会計士や税理士などの資格がこれを証明します。

しかし、社内で必要な知識はそれだけではありません。
普遍的な知識に加えて、会社独自のルールや、お金の処理に関する内部規定の理解、そして社内が円滑に回るための仕事の進め方が重要です。
これらが揃って初めて社内での評価に繋がります。
言い換えれば、これらが揃って初めて内輪で価値がある専門性となります。

専門性には普遍的専門性と内輪受けの専門性とがある

  • 普遍的専門性:経理業務に必要な会計や税務に関するの基礎知識。
  • 内輪受け専門性:普遍的専門性+社内ルールや仕事の進め方などの知恵。

ギャップを直視することの重要性

このギャップを直視しない限り、キャリアを活かすことは難しいです。内輪受けのスキルや専門性は、往々にして外の世界で役立たないことが多いですし、なんなら余計なおせっかいにもなります。

よく、どんな人にも必ず得意分野がある、と言われています。気を付けたいのが、この得意分野のなかでどれが「内輪受け」の部分で、なにか「一般的に役に立つ」ものかを客観的に理解していないと、なかなか使い道に恵まれることはありません。

専門性の新たな活用方法としてのPBL

では、内輪を飛び出したときの自分の専門性はどこで活かせるのでしょうか?

一つの方法として、このブログでテーマにしているProject-Based Learning(PBL)があります。
PBLは、学びの場に現場の専門性を生かして課題を解決していく学びです。
クセのある内輪受け専門性も、実社会や現場で培ったリアルな専門性として、課題解決のための貴重なリソースになります。

ただし、自慢話になってしまうと、決して喜ばれないどころか、むしろ敬遠されてしまいます。

注意が必要です。

内輪受け専門性は、実社会で培ったリアルな専門性としてPBLの課題解決に役立つ。

注意点: いくら現場で役立った専門性でも、自慢話になると逆効果

PBLを活用する際のポイント

PBLを活用する際には、いくつかの注意点があります。

深入りしすぎて周囲に負担をかけてしまう
熱心に取り組むあまり、知らず知らずのうちに周囲の人々に負担をかけてしまうことがあります。これを防ぐためには、常に周囲とのコミュニケーションを取り、バランスを保つことが肝心です。

専門用語の使いすぎる
自分の専門性に自信を持つあまり、専門用語を多用しすぎると、他の参加者や学生が理解できなくなることがあります。わかりやすい言葉で説明することを心掛けましょう。

過度な期待はしない
自分の経験や知識がどれだけ役立つかに対して過度な期待を抱くことは避けましょう。PBLは共同作業であり、他の参加者との協力が必要です。

PBLとの関わり事例を知って適切に活用する

あくまでも専門性を提供する立場としてのPBLの様々なモデルを知ることで、自分の専門性を活かす新たなステージを見つけることにもつながると思います。具体的な事例や実践方法についても適宜紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

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