バブル入社組の再就職戦略

アラ還バブル世代

バブル期に大量採用された「バブル入社組」がいよいよ定年前後の時期に差し掛かってきました。しかし、人生100年時代。70歳まで働くことが普通になりつつあるので、定年前後にどのような準備をし、どのような心構えを持つかが、退職後の活躍に大きく影響してきます。

と、このような話はよく耳にしますし、関連する記事や書籍も多く目にします。いくつかの事例をもとにした指南書が多いようでしたが、残念なことに私にとってあまり参考にならないと感じるのです。

事例をもととした指南が多いのですが、事例に出てこられる諸先輩、そして今の活躍の姿が、どうにも自分事として考えられない。何か一定以上の水準を満たしている人のようで、「そうか、自分も負けないように頑張らないと!」とならないのです。

その水準とは、例えば以下のようなものです。

  • 著名な企業での管理職経験がある:社内外で認められる実績を積み重ね、重要な意思決定を行ってきた人。
  • 専門性の高い資格がある:弁護士や公認会計士など、専門知識が不可欠な職種でキャリアを築いてきた人。
  • 幅広いネットワーク:社外の企業や業界内で深いつながりを持ち、それをキャリアに活かしてきた人。FBの友達数が異常に多い。
  • 自らのキャリアをマネジメントしてきた人:転職を成功させたり、自分の価値を理解し、市場で求められる存在であり続けた人。

これらの特徴を持つ方々は、確かに素晴らしい実績をお持ちです。

ですが、人生100年時代を見据えて今後の生き方を考える人々が、皆こんなに素晴らしい水準以上のキャリアではないと思います。

バブル時代に大量採用され、安定した職場環境に恵まれた経験はありますが、その結果として特別な資格や転職経験がなく、結局は会社の枠内でキャリアを築いてきた方が多いのではないでしょうか。

もし、同じように感じている方がいれば、以下、ぜひ読み進めてください。

理想と現実のギャップ

一時期、副業でキャリアコンサルをやっていました。そのとき50代~60代の転職が本当に狭き門であることはよくわかりました。

そもそも、バブル入社組は大量に採用された世代ですから、同年代の求職者も当然多いんですよね。企業側としても、社内の年齢構成バランスを考えながら、働いてもらう人には今の時代に合ったスキルや相当に高いITリテラシーは求める。そう考えると、狭き門になるのはまあ当然のことなのかな、と感じます。一方で地方では人材不足から年齢にとらわれない採用も増えており、農業や漁業、飲食店など、都会では考えられないような求人もあります。

とはいっても、いきなり農業、漁業などで役に立てるとも思えない。

いったい、バブル入社組が人生100年時代を見据えて働くためには、何に目をむければよいのでしょうか?

経験を活かす講師役

現在私は、大学とPBL(Project-Based Learning プロジェクト型授業)の企画、そして講師としての仕事をしています。。

PBLとは、学生が自ら課題を解決していく実践的な学び方ですが、その課題解決の部分に自分の社会人経験が貴重な要素となるので、とても面白いものです。

PBLでは以下のような形で社会人経験を伝えることができます

  • 実際のビジネス課題を題材にしたケーススタディの提供
  • グループワークやディスカッションのファシリテーション
  • プレゼンテーションスキルや問題解決能力の指導
  • 業界特有の知識やノウハウの共有

私自身、冒頭で述べたような「水準」に満たなくても、自身の経験やキャリアで定年後の活躍機会が得られるのです。

また、若い世代との交流は、最新のトレンドや技術に触れる良い機会となり、自身の学びにもつながります。PBL講師としての活動は、退職後のやりがいある仕事の選択肢の一つとなっています

タイトルとURLをコピーしました